はじめに
伊勢志摩へ向かう近鉄の観光特急「しまかぜ」に乗ってきました。
今回乗車したのは、1号車のプレミアムシート。
しまかぜは以前から気になっていた列車でしたが、実際に乗ってみると、単なる「目的地へ移動するための列車」とは少し違います。
車内に入った瞬間から特別感があり、ゆったりとしたシートに座り、車窓を眺め、カフェ車両で食事やスイーツを楽しむ。
目的地へ着くまでの時間そのものが、旅の楽しみになっていました。
今回は、しまかぜの魅力だけでなく、実際に1号車へ乗って感じたことも含めて、正直にレビューしてみたいと思います。





近鉄「しまかぜ」とは?
「しまかぜ」は、近畿日本鉄道が運行する伊勢志摩方面の観光特急です。
大阪難波・京都・近鉄名古屋の各駅から賢島駅まで運行され、伊勢市、宇治山田、鳥羽、鵜方などに停車します。
近鉄は、しまかぜを「乗ること自体が楽しみとなる」列車として案内しています。
実際に乗ってみると、そのコンセプトがよく分かります。
「移動するための列車」というより、
「列車に乗ることそのものを楽しむ」
という表現がぴったりでした。
特急しまかぜの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 列車名 | 観光特急「しまかぜ」 |
| 運行会社 | 近畿日本鉄道 |
| 主な運行区間 | 大阪難波・京都・近鉄名古屋~賢島 |
| 今回の乗車 | 1号車・プレミアムシート |
| プレミアムシート | 1・2・5・6号車 |
| 座席配置 | 3列配置 |
| シートピッチ | 125cm |
| 1号車・6号車 | ハイデッカー構造の展望車両 |
| カフェ車両 | 3・4号車 |
| 車内設備 | カフェ車両、個室、サロン席、ロッカー、パウダールームなど |
| 車内サービス | 車内販売、無料Wi-Fi、走行映像など |
プレミアムシートは3列配置で、座席の前後間隔は125cm。本革を使用したシートに電動リクライニング機能を備えています。
また、1号車と6号車は床を72cm高くしたハイデッカー構造の展望車両となっています。
※運行日・時刻・料金・車内メニューなどは変更される場合があります。乗車前に近鉄公式サイトで最新情報をご確認ください。
しまかぜの予約は1カ月前の10時30分から
しまかぜに乗るなら、予約は早めがおすすめです。
近鉄の特急券は、乗車日の1カ月前、午前10時30分から発売されています。インターネットで座席を指定して購入することもできます。
特に、
- 1号車・6号車の展望車両に乗りたい
- 希望する座席を取りたい
- 土日祝に乗車したい
- 家族など複数人で並び席を取りたい
という場合は、発売開始時刻の10時30分を狙うことをおすすめします。
私も、しまかぜに乗る日が決まったので、1カ月前の10時30分に合わせて予約の準備をしていました。
お気に入り路線の登録や、支払い方法などをあらかじめ準備しておくとスムーズです。
なお、近鉄特急に乗車するには、特急券のほかに乗車券が必要です。また、しまかぜを利用する場合は、通常の特急料金に加えて**「しまかぜ特別車両料金」**が必要になります。
予約方法や料金は変更される可能性があるので、最新情報は近鉄公式サイトで確認してください。
1号車に乗って感じた「しまかぜ」の特別感
今回、私が乗ったのは1号車。
1号車は、しまかぜの中でも特徴的な展望車両です。
先頭車両は床を72cm高くしたハイデッカー構造になっており、大きなガラスを通して前方の景色を楽しめるようになっています。
実際に乗ってみると、まず感じるのが開放感です。
前方に広がる景色を眺めながら走るので、座席に座っているだけでも「観光している」という感覚があります。
これは普通の特急ではなかなか味わえない、しまかぜならではの魅力だと思いました。



プレミアムシートは想像以上にゆったり
しまかぜのプレミアムシートは3列配置。
座席の前後間隔は125cmとかなり広く、本革を使用したシートには電動リクライニング機能も備えられています。
実際に座ってみると、足元にはかなり余裕があります。
長時間の移動でも窮屈さを感じにくく、ゆったりと過ごせました。
特に小さな子どもを連れている場合、座席周りに余裕があるのは嬉しいポイントだと思います。
「移動中もゆっくりしたい」という人には、かなり相性のいいシートです。




ただし、マッサージ機能は正直微妙でした
しまかぜのプレミアムシートにはマッサージ機能もあります。近鉄公式でも、マッサージ機能付きシートとして案内されています。
ただ、実際に使ってみた感想としては、
「思ったより弱いな……」
というものでした。
もちろん感じ方には個人差がありますが、私はマッサージチェアのような気持ちよさを期待していたので、正直なところ少し物足りませんでした。
しまかぜのシートで評価したいのは、むしろマッサージ機能よりも、
座席そのものの広さと快適さ。
こちらのほうが印象に残りました。
こういうところも、実際に乗ってみないと分からない部分ですね。
荷物が多くても安心。鍵付きロッカーも便利
しまかぜには、車内に鍵付きロッカーが用意されています。
大型の荷物を座席周辺に置かずに済むので、車内をよりすっきり使えます。
旅行ではスーツケースなど荷物が増えがちなので、これはかなり便利でした。
座席の足元を荷物で埋めてしまうと、せっかくの広いシートがもったいありません。
荷物を預けてしまえば、あとは身軽に車内を楽しめます。


パウダールームや洗面設備まで上質
しまかぜは、座席だけが豪華なのではありません。
車内の細かな設備にも、観光特急らしいこだわりを感じます。
洗面台やパウダールームなども整えられており、移動中でも身だしなみを整えやすい環境になっています。
こうした設備を見ていると、
「電車なのに、ちょっとしたホテルみたいだな」
と思いました。
もちろんホテルとは違います。
でも、ただ目的地へ運んでくれるだけの乗り物ではなく、車内で過ごす時間そのものを快適にするために、細かなところまで考えられている。
それが、しまかぜの大きな魅力なのだと思います。



通路やデッキまで「特別な空間」
車内を歩いていても、普通の特急とは雰囲気が違います。
床や扉などのデザインにも和モダンの雰囲気があり、通路やデッキまで統一感があります。
座席だけ豪華にして終わりではなく、
車内全体を一つの空間としてデザインしている。
そんな印象を受けました。
こういう細かな部分まで見ると、しまかぜが単なる「豪華な特急」ではなく、観光列車として作られていることが分かります。




しまかぜの楽しみといえば「カフェ車両」
そして、しまかぜに乗ったらぜひ利用したいのがカフェ車両です。
しまかぜのカフェ車両は2階建てになっており、沿線にちなんだ食事やスイーツ、飲み物などが用意されています。
現在の公式メニューでは、松阪牛重や松阪牛カレー、はまぐりのシーフードピラフ、カツサンドセット、スイーツセットなど、さまざまなメニューが用意されています。
私は今回、カフェ車両も利用しました。
大きな窓から流れていく景色を眺めながら食事や飲み物を楽しんでいると、
「これは贅沢だな」
と素直に思います。
目的地に着くまでの時間を、ここまで楽しめる列車はなかなかありません。

松阪牛重をいただきました
今回いただいたのは松阪牛重。
車内で食べる食事ということで、正直そこまで期待していなかったのですが、実際に食べてみると満足感があります。
しかも、重箱に入っているので、見た目にも特別感があります。
電車の中でいただいていることを忘れそうになるほど、しっかりとした食事でした。
2026年9月現在、近鉄の公式メニューにも「松阪牛重」が掲載されています。松阪牛を100%使用し、野菜とともにじっくり煮込んだメニューで、温かい緑茶が付いて2,000円です。
ただし、車内メニューは変更される場合があります。


スイーツもかなり楽しめる
しまかぜのカフェでは、食事だけでなくスイーツも楽しめます。
今回も、見た目の美しいスイーツをいただきました。
列車のカフェとは思えない華やかさで、食後のデザートとしても楽しめます。
車窓を眺めながらスイーツをいただく。
これだけで、ちょっとしたカフェタイムになります。
現在の公式メニューでもスイーツセットやバニラジェラートなどが用意されていますが、商品は列車や季節によって変わります。
そのため、何が食べられるのかも乗車時の楽しみの一つだと思います。



志摩醸造のクラフトビールで乾杯
そして、個人的に嬉しかったのがクラフトビール。
しまかぜでは、しまかぜ限定ラベルのクラフトビールが販売されています。
2026年9月現在の近鉄公式メニューでは、伊勢・志摩エリアの「志摩醸造(Shima Brewery)」のクラフトビールが掲載されています。缶はしまかぜ限定ラベルで販売されています。
車窓を眺めながら、列車の中で飲むクラフトビール。
これが、なんとも贅沢です。
普段飲むビールとはまた違って、
「今、自分は伊勢志摩へ向かっているんだな」
という旅情まで感じられました。
青空と緑の車窓を眺めながら飲むビールは、かなり印象に残っています。


しまかぜソーダも旅気分を盛り上げてくれる
しまかぜの車体を思わせる鮮やかなブルーの「しまかぜソーダ」も、見た目からして楽しい一品です。
2026年9月現在の公式メニューでは、「しまかぜソーダ」が800円、「しまかぜソーダ(アイス無し)」が600円で販売されています。
こうした「しまかぜならでは」のメニューがあるのも面白いところ。
味だけでなく、
写真を撮りたくなる楽しさ
があります。
車内でいただいたものを写真に残しておくと、後から見返したときにも旅の記憶がよみがえります。

カフェ車両から眺める車窓が最高だった
私がカフェ車両で特に良いと思ったのは、やはり車窓です。
大きな窓から緑豊かな景色を眺めながら、テーブルには食事や飲み物。
列車はゆっくりと、そして時にはスピード感を持って景色の中を走っていきます。
その光景を眺めながら、
「移動している時間が、そのまま旅になっている」
と感じました。
伊勢志摩に着く前から、すでに旅行が始まっている。
しまかぜの一番の魅力は、ここなのかもしれません。


車内販売も充実している
しまかぜでは、カフェ車両だけでなく車内販売も行われています。
近鉄公式でも、観光特急「しまかぜ」は全列車で車内販売を行っていると案内されています。ただし、営業状況や販売時間は当日の状況などによって変更される場合があります。
食事やスイーツだけでなく、飲み物やお土産、オリジナルグッズなども販売されています。
今回の乗車では、カツサンドセットやクラフトビールなども購入しました。
実際に食事をしたり、お土産を購入したりしているうちに、あっという間に時間が過ぎていきます。
しまかぜ限定のオリジナルグッズも楽しい
車内では、しまかぜオリジナルグッズも販売されています。
電車型ホッチキスやボールペン、タオルハンカチ、ステンレスマグ、ぬいぐるみなど、さまざまな商品があります。
今回、私も「しまかぜとことこぬいぐるみ」を購入しました。
こういうものは、旅行中だからこそ欲しくなるんですよね。
普段なら買わないようなものでも、
「せっかくしまかぜに乗ったんだから」
と思ってしまいます。
それもまた観光列車の楽しさだと思います。






記念乗車証も嬉しい
しまかぜでは、乗車記念として記念乗車証が配布されます。
実際に乗車した証として残せるので、旅の思い出になります。
さらに、しまかぜのロゴが入ったオリジナルコースターなどもあり、細かなところまで「記念に残したくなる」仕掛けが用意されています。
こういう小さなサービスが、旅行後の満足感につながるんですよね。

Wi-Fiや走行映像も無料で楽しめる
しまかぜでは、車内Wi-Fiが利用できます。
さらに、スマートフォンなどから運転台カメラによる前方・後方の走行映像をリアルタイムで見ることもできます。
雑誌や旅行ガイド、書籍要約などの読み放題サービスも用意されています。
ただ、個人的にはスマートフォンを見るより、
せっかくしまかぜに乗ったのだから、車窓を眺めていたい。
という気持ちのほうが強かったです。
走行映像も面白いのですが、実際の景色を眺めながら過ごす時間のほうが、私には贅沢に感じられました。





賢島駅で見る「しまかぜ」も格好いい
今回の旅では、賢島駅で停車中のしまかぜも見ることができました。
青と白を基調とした車体は、駅に停まっていても存在感があります。
先頭部分の大きなガラスも印象的で、
「やっぱり格好いい列車だな」
と思いました。
走っている姿ももちろん格好いいのですが、終着駅である賢島駅に停車しているしまかぜを見ると、「ここまで旅をしてきた」という実感も湧いてきます。


賢島駅の「しまかぜポスト」も発見
賢島駅周辺には、しまかぜをデザインした「しまかぜポスト」もあります。
列車を見た後にこうした場所を探してみるのも、旅のちょっとした楽しみです。
せっかくしまかぜに乗るのであれば、列車そのものだけでなく、終着駅まで含めて楽しんでみるのもおすすめです。

実際に乗って分かった、しまかぜの魅力
ここまで設備やサービスを紹介してきましたが、実際に乗ってみて一番強く感じたのは、
「移動時間を楽しませようとしている列車」
だということです。
広いシート。
大きな窓。
カフェ車両。
車内販売。
車窓。
記念乗車証。
オリジナルグッズ。
そして、車内全体の落ち着いた雰囲気。
一つひとつを見れば、それぞれは小さなサービスなのかもしれません。
でも、それらが組み合わさることで、
「目的地へ行くための時間」から「旅そのもの」へ変わっていく。
これが、しまかぜの最大の魅力だと感じました。

逆に「ここは期待しすぎないほうがいい」と思ったところ
もちろん、すべてが完璧というわけではありません。
私が一番気になったのは、先ほども書いたシートのマッサージ機能です。
個人的には、もう少ししっかりしたマッサージを想像していたので、実際に使ってみると少し物足りませんでした。
「マッサージ機能がある」という点では魅力的ですが、
これを目当てに乗るほどではない
というのが正直な感想です。
一方で、シート自体は広く、電動リクライニングもあり、快適性はかなり高いと感じました。
つまり、しまかぜのシートは、
「マッサージ機能」より「ゆったり座って車窓を楽しむこと」に価値がある。
私はそう感じました。
しまかぜは、こんな人におすすめ
実際に乗ってみて、特におすすめしたいのはこんな人です。
- 伊勢志摩への移動時間も楽しみたい人
- 普通の特急とは違う列車に乗ってみたい人
- ゆったりしたシートで移動したい人
- 電車に乗ること自体が好きな人
- 車窓を眺めながら食事やスイーツを楽しみたい人
- 家族旅行でゆったり移動したい人
- 旅の記念になる体験をしたい人
逆に、
「移動費をできるだけ抑えて伊勢志摩へ行きたい」
という人には、しまかぜは向いていないかもしれません。
しまかぜの価値は、単純な移動コストだけでは測りにくいからです。
しまかぜは「乗ること」を目的にしてもいい列車だった
今回、実際に1号車に乗ってみて思ったのは、
しまかぜは、目的地へ行くためだけに乗る列車ではない。
ということです。
もちろん、伊勢志摩へ向かうための交通手段ではあります。
でも、
「今日はしまかぜに乗る」
ということ自体を旅行の目的にしてもいい。
そんな列車でした。
1号車の展望席から景色を眺める。
広いプレミアムシートでゆっくりする。
カフェ車両へ行って食事をする。
クラフトビールを飲む。
スイーツを楽しむ。
車内限定のグッズを買う。
そして、気がつけば目的地に着いている。
この一連の時間そのものが、旅の思い出になります。
まとめ|特急しまかぜは「移動時間」まで楽しませてくれる列車
特急しまかぜに実際に乗ってみて、私はかなり満足しました。
特に良かったのは、
・1号車のハイデッカー構造の展望車両から眺める景色
・広々としたプレミアムシート
・カフェ車両で楽しむ食事やスイーツ
・車窓を眺めながら飲むクラフトビール
・鍵付きロッカーなどの便利な設備
・車内限定グッズや記念乗車証
・車内全体の落ち着いた雰囲気
です。
一方で、マッサージ機能については、個人的には少し物足りませんでした。
それでも、シートそのものの快適性は高く、車内で過ごす時間はとても贅沢でした。
しまかぜの魅力は、豪華な設備を一つずつ楽しむことだけではありません。
「目的地に着くまでの時間まで、旅にしてしまうこと」。
これこそが、しまかぜの一番の魅力なのだと思います。
伊勢志摩へ旅行する予定があるなら、ぜひ一度乗ってみてください。
そして、希望する座席があるなら、乗車日の1カ月前、10時30分からの発売開始に合わせて予約するのがおすすめです。
きっと、目的地に着く前から旅が始まっていることを実感できると思います。
