ハミ山クリニカ(著)【汚部屋そだちの東大生】
この親子を追体験しているような感覚に陥ります。
不幸な境遇の漫画とかドラマとか好きなんですワタクシw
(逆に出来過ぎた恋愛物とかは大嫌い、論外。世の中そんなにうまくいかないよー。)
今回は、この【汚部屋そだちの東大生】をご紹介したいと思います。

半自伝的な物語
「7年間壊れたままのトイレ、どこもかしこもゴキブリの通り道、床が見えないほどに散らかったゴミ類、折りたたんだ布団を机代わりに受験勉強」
壮絶な環境での美しいママとの二人暮らし。
絵柄は可愛いが内容は衝撃的。
こんな親が存在するのか⋯。。
ユウちゃん
非凡な主人公。
この環境下で東大合格とか凄すぎる⋯
ママのことが嫌いというわけではない。
凄まじい環境下で生活していたうえに、自分が不倫の子であったと知ったときの主人公を思うと気が重くなります。
地頭は良いので、最終的には自分で判断し、自立していく。
マ マ
パパとは夫婦ではなくお金をもらって生活している愛人。
ユウちゃんへの理想や愛が強過ぎて、支配し操り「モノ」のように扱う。
また自分への愛も強過ぎる。
子どもにずっと子どもで居続けてほしいと願うところも異常。
怖さがジワリと寄ってきて、ドキドキします。
近くにこんな人がいたらとても恐ろしい⋯
チョコレートケーキは、きっと幸せだった頃に3人で食べたものなのでしょう。
でも、ママは「わかりやすく悪」というわけではありません。
パパと離れてから心が満たされていなかった。
本来は自分の亡くなった恋人のことや、娘との将来を考える寂しい一人の人間なんですね。
主人公と離れてから幸せになっていることを祈ります。
パ パ
戸籍上の父親ではなく、ママとは愛人関係にあった。
次第にユウちゃんとも離れていく。
山上さん
主人公の自立のために必要な手助けをする友人。
「変だよ。」とは言うものの、それ以上積極的には踏み込まず、付かず離れずの良い距離感で主人公を救います。
感 想
「家族とは本当に厄介なものです。」
「家族という閉じた世界を客観視することは誰にとっても難しく、」
「正しい家族のかたちというものは私には分かりません。」
とあとがきに書いています。
私はそのように感じたことがなく、この書きぶりには衝撃を受けました。
でもよく考えると、私自身も多かれ少なかれ家族という閉じた世界観に縛られてきたなと思います。
そして、その家族の世界観からは脱出できていません。
むしろ、家族の世界観で生活していることさえ気付きませんでした。
もしかすると、自分の家族のかたちを見つめ直すことも必要なのかもしれないと思わせてくれる漫画でした。