エドワード・ゴーリー「ギャシュリークラムのちびっ子たち」感想おすすめ

エドワード・ゴーリーの絵本が好きです。

唯一無二の不思議な作家です。

「ギャシュリークラムのちびっ子たち」の感想を書いてみます。

ギャシュリークラムのちびっ子たち

エドワード・ゴーリーの特徴

  • モノクロの緻密な線画:古い建築物や退廃的な風景などを繊細なモノクロームの線で表現します。
  • 不条理で残酷な物語:理由なく子どもが死んでしまうなど、救いのない物語が多いです。
  • 優雅なユーモア:不穏さのなかに独特のユーモアが含まれています。
  • 詩的な文章:韻を踏んだ詩的な文章が添えられています。
  • 古典的な雰囲気:重厚で退廃的な雰囲気です。
  • 不思議な生き物:不気味かつ愛らしい謎の生き物が登場します。

ゴーリーの世界は、因果応報的なバランスがなくブラックです。

でも、そのなかに、可愛らしさや、ユーモラスな雰囲気も漂っています。

また、哲学的なテーマや風刺が多く含まれています。

この不思議な可笑しさ。

これがゴーリーの特徴なのです。

ギャシュリークラムのちびっ子たち

ゴーリーの代表作。

アルファベットの各文字をテーマに、理由なく子どもたちが次々悲惨な最期を迎えます。

理由なく世界の悪意が降りかかってくるのです。

ゴーリーの魅力全開です。

しかし、単に「怖い」「不気味」というメッセージを伝えているのではありません。

人生の儚さと同時に、今を大切にするということも説いているのです。

また、死はすぐそこにあるもので、自然なものとして、人生の一部として受け入れようという姿勢を説いているという風にも読めます。

これらを独特のユーモアを交え表現しているのですね。

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